原因究明⁉ 水のトラブル

 今回は、某所共同浴場の洗い場排水口の流れが悪くてお困りのお客様からの御相談を頂きました、早速現場に急行です。

 現場到着し御挨拶後すぐに、実験のため洗い場に比較的多めの水を流して見ました。すると確かに排水の呑み込みが遅く、やがて間も無く排水目皿表面と面一(つらいち:面と面が統一された様。水位が上昇し水面が床面と並んだ様子)に水が溜まり始めました。

 更に、取り外せる物は取り外し排水トラップを詳しく調べて見ます。すると排水トラップ防臭ワンという金属製の釣鐘型の部品と、同じく金属製の受け手側が互いに錆びて固着しておりました。これでは当然のこと流れは阻害されます。

 さて、この世の中に起こる事象には殆ど全てに於いて、”原因”となるものが必ず存在するものです。仕組みが比較的単純だった事もあり、今回の排水不良の原因は”錆付き”であると早期に確信を持てた訳ですが、私共は日頃からトラブルの原因を正しく確かに見付ける事さえ出来れば、其の時点で仕事の約7割が完了したも同然と考えております。何故ならば原因が真であり、其の解決を求めるのであれば正しく有効な対策は自ずと弾き出され、後はただ『それを打つのみ』だからであります。つまり、特にトラブル処理を生業にする者にとって、原因を発見する事こそが仕事の全てであると言っても過言では無い。と考えております。

 従いまして早速、専用工具を用いて固着した防臭ワンと受け手の切り離し作業に取り掛かります。

暫し格闘の末、これを終えて表面の錆取りと髪の毛ヘドロの除去と清掃を以て、今回の任務完了と致します。今回もご覧頂き誠に有難うございました。