僕達の失敗…(“慣れ”という名の落し穴)。

ご依頼内容:水道管破損させてしまった!直ぐ来れる?  横須賀市

施工内容:塩ビ給水管 一部交換。(♫春の~♪木漏れ日の~中で~♬)

 皆様こんにちは。今回のエピソードは、その日 19時近くだったでしょうか、 所用の為、約2週間振りに横須賀宿営地に向け、帰営の途に就いて巡航中だった私の元へ、弊社の未だ経験の浅い若手社員が 現場状況の写真を添付したメールと共に、電話を寄越して来た事から始まりました。

 聞けば、ガス管工事店様 (今回のお客様)が 修繕施工の為、無限軌道自走式油圧ショベル(ユンボ)で地面を掘り返していた際、夕方 誤ってショベルの爪を、ガス管の近くに埋まっていた給水管に接触させてしまい、水を噴き出させてしまったそうです。そこから方々の水道メンテナンス会社に電話し捲ったけど、その時間からでは、何処も来てくれず、弊社に電話して やっと対応叶った、そうです。 そして 弊社々員の彼は、此れをどう施工するのでしょうか?

 当初の彼の話を要約すると、HI 25㎜のエルボ (L型継ぎ手:語源はエルボー =肘) からパイプが折れる事なく 只すっぽ抜けてしまっただけなので、これを直そうと思うが、自分一人では少々不安があるため、今 この時間に、当現場の近くを巡航しているであろう貴殿に直掩(援護)を願いたい 。又、念の為、最悪の事態も想定し その為の部材を揃えておかねばと 搭載在庫を確認したが 足りないので、一旦現場を離れ 近くの管材屋に購入しに行こうと思うが 具体的に 何が必要か、アドバイスを求む。という ものでした。なので、一度 抜けてしまった 塩ビ継手とパイプは、もう二度と着かない(接着剤塗り直して再接合は不可能)という事と、こういった場合は、同じ形 (L返し) で新たに再現しなければならないので、エルボ4個・25-13の異径チーズ (T型継ぎ手:語源はteesが訛って 又は、丁字が訛って等 諸説あり) 1個、及び25㎜・13㎜のパイプ・継ぎ手が相応分 必要となるので此れらを確実に用意しておく事、自分も 可及的速やかに現場到着に努めるから 安心してお客様との間(ま)を上手く保ちながら待つ様にとだけ伝え、電話を切りました。それから 程なくして 現場に到着し、先ず、私の目に飛び込んできた光景、それは何と、HI 50㎜エルボと50-20異径チーズがカクカクと絡み合って織り成された、あたかも行く手に立ち塞がる悪の巨大要塞の様な光景でした…。当初の話の通りであれば、さっくりササっと、小一時間も掛けずに やっ着けて 早く帰って酒吞んでやろう、等と 高を括っていた私は、その頭を20t位の鉄塊で、 ぶん殴られた様な気分になりました。:「君、だいぶ 話が違うじゃないか?これ、50㎜だよ?」:「はい、ちゃんと50㎜の部材を、用意しておきました。(ドヤ顔)!」:「え? そうなの!何で?でもよくやった。」見ると確かに、HI 50㎜のパイプ1本と、エルボが…4個……の筈?…いや、2個だけです!チーズは無いです(泣)。(プンプン)何故なのか、其の理由を問い質すと、実は、私に電話する前に、別の先輩・上司にも質問していたそうで、送付されて来た写真を見て 彼らは彼らなりの先入観から『 25㎜エルボと、25-13のチーズだね、でもまあ、エルボの吞み込みを確保できるだけの余裕は有りそうだから(え?余裕ない無い)、チーズには一切 手を付けず エルボ2個だけ替えて終わりだよ(←それ無理むり)』とか 安易に云い放ったそうです。 新米君は、其れを其のまま鵜吞みにし、その様に固く洗脳されてしまった様です。それでも個数不足ながらも50㎜を用意できたのは、お客様から『これ50㎜だよ』と、言われたお蔭だそうです。(恥ずかし)。さて、時間は既に 20:45 管材屋は何処も もう、とっくに閉まっています。お客様からは何が何でも今晩中に終わらせて!と、…元々性能不足の上に、更に回転出力低下に陥った自分の頭を 必死に叩いて絞って見た結果、プロ専用 御用達ホームセンター が在る事を思い出し、早速 此れに問い合わせて見たところ、22時まで営業していて 我々が必要としている部材も全て揃っている事が分かりました、神は未だ、我々を見捨ててはいなかったのであります。即、戸塚区に在る其の店へ買い出しに向かい、無事に物を揃えて現場に戻ると22:15 。大至急 慎重に慌てて ゆっくり急いで戦闘開始です。もう絶対に失敗は許されませんっ!。

 23:10 接続完了 。但し、これだけの太さの管なので相当な水圧が掛かります、依って接着を完全に落ち着かせる迄、念のためこれより20分程おいて23:30に通水開始、固唾を飲みながら接合部凝視…、通水から15分経過 …問題なし (ホっ)。お客様には、今回の不手際を丁重にお詫び申し上げた後、確り埋め戻して 清掃し現場撤収致しました。

 さて、今回の僕達の失敗の反省すべき点ですが 先ず、①本件の様な場合の状況写真に於いては、管の横に比較対象物を置く、又は管にメジャーを当てた様子を写して当該管の寸法が誰でも一目で判別可能にすべき写真に仕上げる事を旨とし、その工夫に努める。②関係する者たちは、何事も自分勝手に解釈して思考停止に陥る事なく、常に疑問を抱き 互いに質問・確認の応酬を活発に図り、疑問を微塵も残さぬ様にしてから着工に移し、ミスの発生防止に努める。尚、其処に 一旦、少しでも関係した限りは、その関係者らは一人残らずリアルタイムで 得た情報を最後まで共有し合い 結論を統一してから着工に臨み ミスの事前防止に努める。或いは、徒(いたずら)に船頭を多くする事なくして、指揮権を1人に絞り 其の者に統一した指揮を執らせ、責任の所在を明確にしつつ 一貫した指示を下し、部下を混乱させない。更に 本件の様な場合、指揮官は極力 即座に最前線へ赴き 陣頭指揮を執り、以て、抜かりなく速やかに 作戦の完遂を見事成し遂げるべし。③そして何より、担当本人は知識・技術向上を図る為 今迄以上に努力する、本件を鑑み 具体的には車輌助手席に何種類かの太さの塩ビ管を適当なサイズ何本かを揃えて置いておき 道路信号で停車する度に手探りで それらの管を握り、目視せずとも各々の太さを正しく把握できる様になるまで訓練し、身体に叩き込むべし。

 しかしながらこれは何も、担当した若手社員を一人責めて済む話しでは決してございません。寧ろ、本来なら若手を助け、正しく指導しなければならない筈のベテランスタッフの、悪い意味での “慣れ” が原因で引き起こしてしまった失敗であったと、猛省しなければなりません。悪い慣れとは即ち、経験を背景にした、強い思い込み (だろう判断) に 囚われたが故に、確認しなければならない事を、 “つい忘れた” つい しなかった、といった手抜きであります。この、 “慣れ” の恐ろしさを、私を含めた該当部署の者らは 勿論のこと、喩え、別部署に携わるスタッフであっても、弊社の一人一人のスタッフが 今回の一件を、他山の石として 共有し、常に肝に銘じ、決して お客様に御心配・御迷惑を お掛けしない様に、お客様の為に貢献できる様 少しでもお喜び頂ける様、弊社一丸となって 今後も それぞれの持ち場 持ち場で、日々の業務に一層、精一杯 励んで行かねばなりません。

 お客様各位に おかれましては 今後とも、どうぞ宜しくお願い致します。

 今回は、以上でございます。いかがでしたでしょうか? 弊社では今回の様に、当ブログで現場失敗事例も正直に御報告致します。次回も又、宜しくお願い申し上げます。