番外編(プライベートDIY) バイエルン百舌のハート。

案内内容:自家用車メンテナンス     

施工内容:エンジンオイル及びオイルエレメント交換のDIY

 皆様こんにちは。今回、たまには趣向を変えて私のプライベートタイムのDIY活動について御報告したいと思います。内容は車輌のメンテナンスでございます。先ずは簡単に当該車輌についてですが、バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ(Bayerische motoren werke) という会社が生産販売した車であります。ちょっと聞き馴染みのない、けったいな感じの会社名でありますが 早い話、日本語に訳すと、『バイエルン発動機製作所 (英訳:バイエルン・モーター・ワークス) 』と なりまして、こう呼ぶと何だか判り易くなって 一気に親近感が湧いてくるから笑えます。で、実は この会社 元々は主に航空機用のエンジンを造る職人集団の会社で、かつては、Luft waffe(ルフトヴァッフェ=空中の武力 : 即ちドイツ空軍)に航空機用発動機を、ドイツ国防軍・武装親衛隊等の陸の武力組織には軍用バイク等を納めていました。代表的なところでは独逸航空機メーカーの、フォッケウルフ社が開発生産して、1941年から実戦配備させた単発単座戦闘機 Fw190 (愛称 ヴュルガー(百舌):開発途上のテスト飛行を繰り返していた頃にフォッケウルフ社内で呼ばれていた愛称…スタイルが頭でっかちで 飛ぶ姿がモズを彷彿とさせたから)の各シリーズに搭載させる心臓(空冷エンジン)の設計開発を担当し 当機に於ける空冷エンジンに限って云えば、初期搭載のエンジン名 : ベーエムヴェー 139から後継となるベーエムヴェー801シリーズエンジンの初期型~最終発展型まで、此の社が供給を一手に担っておりました(名機801型エンジンは爆撃機など その他ドイツ軍用機にも多数搭載され幅広く運用されました)。そして第二次世界大戦を通して、物量にモノを言わせて押し寄せる連合軍を相手に、陸・空の激戦を銃後から支え抜いたのでありました。因みに件のドイツ戦闘機が実戦デビューを果たした当初、突如 戦場の空に飛来した新鋭機 Fw190の出現に、当時の名だたる英軍機各種(スピットファイアMk.Vや ハリケーン 等々)は ことごとく圧倒され奈落の底へと堕とされ陳腐化し どれも歯が立たない有り様へと成り果てたのであります。それからというもの、まともに対抗できる次期新型機(Mk.Ⅵ)が完成される迄の少しの間、大英帝國は国を挙げて此のヴュルガーの影に怯え続け、ビビり倒されたのであります。それは、かつての日本の同盟国 独逸第三帝國が産んだ、Fw190の優秀性を顕著に物語る逸話として今でも語り継がれています。さて、余談が過ぎましたが 対象となる自家用車輌は、

総排気量:一升 六合 六勺 三抄。

機体重量:四百四十八貫。

額面出力:三百三十馬力。                               尚、若シ望マムト欲スラバ、本機ニ合法的微改造ノ施スヲ以ツテシテ四百馬力ハ軽ク超過セシメルヲ是、易キ事ト具申致シ候。

搭乗員:法定総員 四名(前 二座独立並列・後 二座分離並列の計 四座) 搭乗降扉 二枚

操縦席及び操舵用把手輪:右

機体主要彩色:冬季雪上迷彩

特徴:空気圧縮用羽根車宛導入排気経路複流渦巻式単装過給機付属 瓦斯倫直列六気筒発動機搭載 四輪箱型後輪駆動快速仕様型乗用自動車 (当機ハ生産製造会社ノ純正仕様ノ儘)  と、なります。

 前回の発動機用油交換から1,018里ほど走行したので、そろそろオイル交換をと思い、本日の休日を利用して最寄りのカー用品店に行ってみると、これがまた大変混んでおりまして…。それでは と、時間及び経費節約を図るべく、いっそオイルだけ購入して自分で交換しちゃおうかな?その方が断然お得だしな♡ …等と考え、ついでにオイルエレメント交換も含めて 此のDIY計画を速攻で実行に移したのでありました。先ずは専用のフィルターレンチを用いてオイルフィルター(エレメント)を取り外し、これの交換から始めます。その時ついでにパッキン類も新しい物に交換します、その際、新パッキンには予めオイルを塗っておく事がミソとなります、ミソと言っても味噌を塗る訳ではありません、慣用句です。絶対にパッキンに味噌は塗らないで下さい。最後にパーツクリーナーで各部に付着した油汚れ等を丁寧に拭き取り、組み直して元通りにします。

 これが終わると、次に車輌下に潜り込み、市販の廃棄オイル用受け(脱脂綿系繊維に染み込ませ式)を置いてオイルドレンボルトを外し 抜き取ります。この時、車体はなるべく水平を保ちたいので、ジャッキアップせずに 両前輪にスロープを置いて 潜り込ませる自分の頭・肩・腕だけ入るスペースを確保して作業します。そして充分時間を掛けて全て抜け切ったのを確認したらダメ押しのセルモーターちょい回しを行い 纏わり付いた余分なオイルを振り落とします。それからドレンボルトを取り付け直して新オイルを投入します。今回はオイル添加剤も奮発して与えてやる事に致しました、添加剤は予めサーバーポットのオイルに混入させておきます。尚、廃油の処分方法は各自治体ごとに違いがありますので、必ず、その自治体の定めに従って処分して下さい。

“Turbo”の刻印がなされていますが 生産国に敬意を表し、なるべく本国語の発音に寄せて “ とぅるぼ ” とお読み下さい。排気流を利用した燃焼用吸引空気圧縮送込装置型過給機を意味します。

 新オイル注入が終わりました、6.5L入りました。とかく日本人は容器があれば何でも なみなみと、一杯に注ぎ込む事が正義であるとして疑いませんが、本国 独逸の人達の場合は 少なくともエンジンオイルに限っては、これを満タンまで入れる事は余りしないそうです、却って回転抵抗が増える事を嫌って?…だとか、そのせいなのか 未だ入りそうなのですが ここいらが丁度宜しい様です、独逸の流儀作法に従い 注入はここで Halt! (停止)。そしたら、各ボルト・キャップ類の締め付けを再度厳重に確認し、全ての点検を充分時間を掛けて行い 問題がなければ発動機を始動させ、そのまま5分程度 暖機運転を続けます。温まった後、発動機可動のまま操縦席に着座し、計器盤が表示する油量を目視確認、画像の表示がmaxを表してます。maxラインの横に敢えてバカ正直に空白スペースを設ける辺りが生真面目なゲルマン民族らしいですね。『注入の際、maxラインを超過して空白スペースまで侵入して埋めることの無きよう意識して注意せよ』という意味なのでしょうか、 キッチリしてます 痺れます 憧れますゲルマンの民らよ。加えて次に、油圧計が指す値を読み取り確認します。これらが適正を指し示し、安定して異常が無ければ ここで終了となります。今回は特に急ぐ必要も無かったので、着工から完了までの所要時間は、簡単な掃除も含めて ゆっくり休み休みで 1時間半ほどでした。Auf Windersehen alle!

 如何でしたでしょうか? 一見 いつもの水廻りの仕事とは全く関係のないお話に感じさせてしまったかも判りませんが、どの様な機械・機器・用具・道具であっても日頃のメンテナンスが大事であるという事を御理解頂けたら幸いですし、そのメンテナンス作業に当たる上で注意しなければならない点は、二重三重の完了後確認を行う事が如何に大事であり、決して疎かには出来ないという事も判って頂きたく存じます。更に、私共は 例えプライベートタイムのDIY作業であっても常日頃から繰り返し確認が習慣として身に沁みているという点も、今回の御報告から御察し頂ければ又、幸いでございます。そして、その習慣こそが 例え水であれ車であれ、修理・施工に対する共通した重い要の志であると自負しております。其処には、それらを使う方々の大事な生命や財産といったものが掛かっているからであります。況してや私共はお客様から大事なお金を頂いて日頃 その仕事をさせて貰っている訳なのですから尚更です。こういった様な訳で 弊社の各スタッフは作業後点検確認に対して決して気を抜かず、手を抜きません。その志を脈々と受け継いでいく事に日々努めております。そんな弊社を今後共、どうぞ宜しくお願い致します。

 最後まで御覧頂き誠に有難うございました。次回も又、重ねて宜しくお願い申し上げます。